「スペインの最も美しい村々」を通るワインルートの旅
「スペインの最も美しい村々」を訪れることは、それがどの村であれ大きな喜びです。そのうえ、「ワインの世界」に関連する見学コースに参加すれば、現地のワイナリーやレストランを訪問することもできます。「スペインのワインルート」に認定されているルートのなかには、そうした「美しい村々」を通過するものがあります。どのようなルートがあり、どのようなアクティビティが楽しめるのか、チェックしてみませんか?
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リオハ・アルタのワインルート
ラ・リオハのシンボルをひとつ挙げるなら、それは間違いなくワインでしょう。リオハワインは国際的な名声を誇る絶品ワインであるだけでなく、この地域の文化、伝統、および祝祭の一部でもあります。このワインルートは約80の自治体から構成されているものの、今回は、このコース上にある二つの「美しい村」をおすすめしたいと思います。その二つの村とはブリオネス村とサハサーラ村です。とびぬけて美しいこれら二つの村にはワイナリーやレストラン、カントリーハウス、ホテルがあり、誰もが「何日も滞在したい」と思わずにはいられません。 石造建築が建ち並ぶブリオネス村を歩けば、中世にタイムスリップしたかのような気分になることでしょう。ましてや、有名な中世フェアの期間中の散歩ならなおさらです。紋章を見つけたり、アスンシオン教会といったモニュメントを訪れたりすることができます。また、4.5キロメートル強ある美しい小道がダバリージョ城まで続いていますが、これは以前、鉱山道路として使われていたもので、その周りにはブドウ畑が広がっています。地元のワインについての知識を深めたいならビバンコ一門ワイン博物館の見学がおすすめです。一方のサハサーラ村もまた、リオハ・アルタ地域を代表する美しい村で、どこまでも続くブドウ畑の風景に包み込まれています。この村には有名な「ワイナリー地区」が保存されています。ここはその昔、土地を掘り起こして洞窟のような地下ワイナリーを作り、ワインを保管していた場所です。村の城=宮殿も見逃せません。その内部には古いワインセラーが保存されているほか、現代アートの作品も所蔵されており、そちらも必見です。このワインルートを制覇するご予定なら、気球で飛行したり、電動自転車、クワッドバイク、バルーシュ型馬車などに乗ってブドウ園まで小旅行に出かけたりと、ほかにも数々のエクスペリエンスが楽しめます。
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ラ・リオハ・アラベサのワインルート
ラ・リオハの目と鼻の先ではありますが、今回取り上げるのはアラバ県(バスク州)を通過する別のワインルートです。優れた品質のおかげで、有名なラ・リオハ・アラベサ産ワインは国境を越えて販売されています。アクティビティ満載の旅程を組んだら、一年中いつでも実行することができます。ここでの旅の主役は、ホテルやレストラン、ワイン博物館なのですから。このルートには23の町や村が含まれていますが、なかにはワイナリーや貯蔵室で構成された本物の地下都市が隠されている自治体もあり、そうした場所では今でも手作業でワインが作られています。注目に値するのは、バスク州全域で唯一「美しい村」に認定されているラグアルディア村です。絵のように美しいこの村を訪れれば、その中世の雰囲気、石畳の通り、そして古い城壁に魅せられてしまうことでしょう。この村はまた、スペイン・ワインルート協会から「最優秀エノツーリズム推進自治体」に選ばれています。サンタ・マリア・デ・ロス・レジェス教会をはじめ、見事な現代建築の例であるイシオスのワイナリーや、そのすぐ近くにあり、かつ興味深いガイドツアーが催行されているマルケス・デ・リスカル・ワイナリーなどを訪れることもお忘れなく。ほかにもエクスペリエンスもお探しですか?ラグアルディアには健康美容サロンもあり、ワインセラピーに基づいた施術を受けることができます。地元のブドウ園を自転車や電動バイクに乗って散策したり、中世のワイン貯蔵室を訪れたり、ブドウ生産者やワイン醸造家の一日体験に挑戦したり、星空を眺めながらワインをテイスティングしたりと、無数のアクティビティからお選びいただけます!
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シエラ・デ・フランシアのワインルート
約20の村で構成されているこのワインルートはサラマンカ(カスティージャ・イ・レオン州)の南東に位置しています。この地域ではまた、風光明媚な自然地帯を楽しむこともできます。その例が、シエラス・デ・ベハル・イ・フランシア生物圏保護区とラス・バトゥエカス=フランシア山脈自然公園です。持続可能な方法で整備された段々畑でのブドウ栽培が地域全体で行われているほか、ワイナリーやワイン直売店、ワイン専門ショップもあります。今回は、この地域にある二つの「美しい村」に焦点を当てることにしましょう。ミランダ・デル・カスタニャル村とモガラス村です。 ミランダ・デル・カスタニャル村は森に覆われた丘の上に位置しています。村内の城壁に囲まれた場所には古い城がそびえ、中世までさかのぼる過去の歴史を反映しています。 モガラス村では、石造りの一般建築と自然に溶け込んだ段々畑での農業が今日に至るまで完璧に受け継がれています。この地域に足を運んだついでに、気球ツアーに参加して「雲の中で乾杯」したり、オリーブオイルのテイスティングを楽しんだりしてみてはいかがでしょうか。また、珍しいルートをたどることもできます。とりわけ、風景に紛れた彫刻を見つけながら進む「自然の中の芸術のルート」はおすすめです。
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マドリードのワインルート
マドリード州にある二つの「美しい町」、チンチョン村とヌエボ・バスタン村(マドリード市から約50キロメートル)もまた、マドリードのワインルートの一角を占めています。実際、この地域のワインの歴史は、そこに属する自治体や遺産、伝統、グルメなくして理解できるものではありません。チンチョン村のマヨール広場は中世の広場として有名なスポットで、木製のバルコニーと水平屋根のアーケードがあり、まさに壮観です。ほかにも興味深いモニュメントがあり、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会の内部にはゴヤの絵画が掲げられています。由緒あるワイナリーの見学ツアーに申し込み、原産地呼称付きのワイン数種類をテイスティングしてみることもできます。マドリード 同様に、ヌエボ・バスタン村への小旅行も計画する価値があります。この村は18世紀初頭、実業家で金融業者でもあったフアン・デ・ゴジェネッチェ(1656年~1735年)が創設したもので、今日では美しい史跡群が残されていますが、なかでもフアン・デ・ゴジェネッチェ宮殿、および聖フランシスコ・ザビエルを奉る教会がひときわ目を引きます。ヌエボ・バスタン村ワイン・ビジターセンターには、この村で発展してきた各種産業の模型や説明パネル、複製品が展示されています。マドリードのワインルートを制覇するご予定なら、自分だけのオリジナルワインを作ったり馬車に乗ってワイナリーを訪れたりと、より多くのエクスペリエンスを味わえることでしょう。
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ラ・マンチュエラのワインルート
このワインルートはカスティージャ-ラ・マンチャ州の中心部、アルバセテ県とクエンカ県にまたがって伸びています。この地域が特別なのは、ラ・マンチャ地方の典型的な平地の文化と風景が地中海特有の雰囲気と組み合わされているためです。この地域には驚くべき二大自然地帯があります。フカル川峡谷とカブリエル渓谷生物圏保護区です。ワイン愛好家の方やワインの世界に関心がある方は、エノツーリズムの各種アクティビティを催行している10軒あまりの有名ワイナリーを訪れ、若くて色の濃い赤ワインから香り高くフルーティーな白ワインまで、さまざまなワインを試飲してみるとよいでしょう。この地域にはまた、テイスティングができるショップやさまざまなレストランもあり、ガスパチョ、ミガス、チーズ、ラ・マンチャ産の子羊肉といった典型的製品とワインとのマリアージュを楽しめます。この地域の赤みがかった平地や森林を散策するのは実に気持ちのよいものです。そうした平原や森林を走る道路は魅力的な村々へと続いており、そこでは城や宮殿を観賞することができます。アルバセテ県にある「最も美しい村」、アルカラ・デル・フカルも、そうした魅力的な村のひとつです。この村は、湾曲して流れるフカル川の斜面に、まるで魔法の蜃気楼のようにたたずんでいます。アルカラ・デル・フカルにある白い家々は山の中腹を削って作られたものです。なかには洞窟になっているものもあり、内部を見学することができます。12世紀に築かれた城を訪れ、唯一無二のパノラマビューを眺めるだけの価値はあります。必見スポットとしては、ほかにもローマ橋やサン・アンドレス教会、闘牛場が挙げられます。特に闘牛場は、その不規則な形状と、岩の上に直接作られたスタンドが特徴的です。
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エル・ビエルソのワインルート
レオン県北部にあるエル・ビエルソ地域はローマ時代からワイン文化と深く結びついている土地です。この地域にはさまざまなハイキングルートやサイクルツーリズムルートがありますが、いずれも、この地域の二大ブドウ品種であるメンシア種とゴデージョ種のブドウ園を通過しています。深い森に分け入っていけば人里離れた礼拝堂や修道院に出会うことができる一方で、目を見張るような自然地帯を訪問することもできます。その一例がロス・アンカレスやラス・メドゥラスです。後者はローマ時代にさかのぼる壮大な露天掘り鉱山で、世界遺産にも登録されている場所です。さて、ここにある「美しい村」といえば?それは、モリーナセカ村。こじんまりした美しい中世の村で、村内には静謐が漂っています。村に架かる「巡礼者のローマ橋」を渡るのは楽しい経験となるうえ、レアル通りに出れば、紋章が描かれた、保存状態のよい家々が軒を連ねています。11世紀建立の人里離れた礼拝堂の上に建てられたラス・アングスティアスの聖地もお見逃しなく。エル・ビエルソのワインルートでは、エノツーリズムと地域の産業遺産を組み合わせたコース、ブドウ園内でのテイスティング、オーガニックワインを生産するワイナリーへの訪問、蜂蜜の生産工程の見学など、ほかにもさまざまなエクスペリエンスを得ることができます。
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ソモンタノのワインルート
最後におすすめするこのルートはウエスカ県のソモンタノ地方にあり、そこには4,000ヘクタールにわたってブドウ畑が広がっています。ここでもまた、幅広い種類のワインを心ゆくまで堪能することができます。家族経営のワイナリー、伝統的なワイナリー、前衛的なワイナリーなどさまざまなワイナリーがあるほか、ソモス・ワイナリーの建物に至ってはワインの世界を代表する建築的至宝に数えられているほどです。激しいスポーツがお好きな方にとって見逃せないものといえばグアラ山脈峡谷自然公園の風景です。また、「美しい村」に認定されているアルケサル村への訪問も計画してみましょう。この中世の村は、魅力あふれる自然環境のなか、ベロ川の峡谷の上にたたずんでいます。美しいサンタ・マリア・ラ・マヨール参事会教会を訪れることはもちろん、ベロ川の峡谷の水と岩でできたハイキングコース、通称「ラス・パサレラスのルート」をたどることなく帰ってしまうことは許されません。ソモンタノのワインルートでは、ブドウ園でワインバスに乗ったり、ホーストレッキングをしたり、セグウェイで散策したりといったアクティビティを一年中楽しむことができます。訪問するにあたり、特におすすめのシーズンが二つあります。まず、8月の最初の週末にワインフェスティバルが開催され、テイスティング、ワイナリー見学、ワークショップなどのイベントが行われます。夜にはグルメ見本市が開かれます。また、11月はエノツーリズム月間として、ワインやチョコレートのテイスティング、中庭や博物館でのテイスティング、ライブ音楽など、数々のアクティビティが行われます。