スペインで最も有名な巡礼路を発見しましょう
スペインでの巡礼といえば、誰もがかの有名なサンティアゴ巡礼路をはじめとする、サンティアゴ大聖堂へと通じる全てのルートを思い浮かべるのではないでしょうか。もちろんそれは当然のことです。しかし、大聖堂以外にも、訪れてみる価値のある宗教建築物と、そこへと通じる、歩いてみる価値のある道があるのです。
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サンティアゴ巡礼路
サンティアゴ巡礼路は、思い出に残る冒険、克服すべき挑戦、新たな経験の連続、そして体験の前と後では変化が生じる、内面への旅でもあり、スペインで最も重要な巡礼路です。 最も使われる3本のルートは、フランスの道、北の道、そして古代の道です。フランスの道は、その他のルートとつながっており、また最も長いことから、一番巡礼者が多いルートです。この道をスペイン国内から始めたいときは、ソンポート(アラゴン州)かロンセスバジェス(ナバーラ州)が出発地点となりますが、どちらもログローニョで合流します。 北の道を選ぶ場合、この道はサン・セバスティアンの街から始まります。一方、古代の道はオビエド、厳密に言えばオビエドの大聖堂からルートが始まります。どこから出発するにしても、巡礼路はその素晴らしい各行程を通じて、巡礼者を同じ場所、約束の地であるサンティアゴ大聖堂へと導いてゆきます。
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聖母マリア・ルート
マリアの道は、聖母マリアの歩みを辿ろうという巡礼者の熱意から始まりました。道は聖母マリアゆかりの主だった聖地をつなぐ5つの行程に分かれています。メリチェイ、モンセラート、エル・ピラール、トーレシウダッドとルルドです。この道には、聖母マリアの熱心な信者がたくさん集まってきますが、同時に、文化と芸術の愛好者が様々な聖地、バシリカ、礼拝堂を巡る旅を楽しめるルートでもあります。この道で最も人気の高いスポットのひとつは、キリスト教において初めて聖母マリアを祀った寺院であるヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール教会堂です。サラゴサの中心街にある壮大なバロック様式の聖堂です。堂内に入ると、ゴヤのフレスコ画と、スペイン及びヒスパニック世界の守護聖人であるピラールの聖母像を祀る荘厳な聖礼拝堂を間近に見ることができます。見学はここに留まりません。教会堂とその周囲のエブロ川、サラゴサの旧市街を見渡す圧巻の眺めを楽しむために、その塔の一番高いところまで登るところを想像してみてください。次に訪れる場所は、トーレシウダッド(ウエスカ県リバゴルサ)の聖堂かもしれません。寺院はエル・グラド湖を臨む高台に建っています。見る者を驚かせてくれる自然の風景の中の、穏やかな雰囲気に包まれた場所です。マリアの道は、 年間数百人の巡礼者を迎える聖地であるモンセラート(バルセロナ)のベネディクト会修道院で終わる(もしくは始める)ことができます。修道院内には、モンセラートの聖母の大聖堂があり、そこに住み込む修道女が維持管理を行っています。
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聖女テレサの道
聖女テレサの道は、アビラの聖女テレサと十字架の聖ヨハネの生涯において重要な場所へと導いてくれます。この場合、旅は聖女テレサ生誕の地であるアビラから始まります。 農村観光がお好きなら、フォンティベロスに立ち寄ってみてもいいかもしれません。十字架の聖ヨハネが生まれた素朴な佇まいの村です。もう一箇所立ち寄れる場所はドゥルエロです。先に述べた二人の聖人が、跣足カルメル修道会の修道院を初めて創立したところです。巡礼は、聖女テレサが没したアルバ・デ・トルメスで終了です。この道は、特定の目的地へのスピリチュアルな旅であるだけではなく、旅の道すがら、文化、自然および民間伝承を通じて視野を広げてゆく機会でもあります。