ベルモットとタパス

スペインのタパスの芸術を発見

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スペイン文化の特徴であるこの伝統は、れっきとした生活様式であり、それを体験することは大きな喜びをもたらします。タパスは、単に食べたりつまんだりするだけではなく、味見したり、組み合わせたり、そして最も重要なのは、良い仲間と一緒に各都市の活気ある美食の街角を探索することです。正午か夕暮れどきかに関わらず、スペインのタパスは、メインの食事の前のアペリティフとしても、昼食や夕食そのものとしても楽しめます。スパイシーなフライドポテトから小さなイベリコ生ハムまで、そのラインナップは豊富なため、どれだけ多くのタパスに挑戦できるかが問題です。  スペインのタパスの本当の起源については多くの議論があります。歴史家のなかには、その起源が19世紀のアンダルシア地方にあると考える人もいれば、13世紀のアルフォンソ10世の時代にまでさかのぼると考える人もいます。タパスは今や、全国的に定着した習慣となっており、地域ごとに独自の「おいしい儀式」が行われています。飲食店によっては、飲み物を注文するとタパスが無料で提供される場合もあります。スペインのいくつかの都市で、タパスの食べ歩きに最適な場所を見つけてみませんか。バル巡りに繰り出しましょう!

  • サントーニャ産アンチョビとイスラピーマン

    スペイン北部のタパスとピンチョス

    ビゴでは、ペスカデリア通り(通称「オストラス通り」)周辺がタパスの食べ歩きにもっとも人気のエリアです。ここでは、本格的なガリシア料理、特に、ビゴの深い入り江で採れる貴重な牡蠣を味わえます。わずか数メートル先には、19世紀に遡る屋外の屋台が並ぶスペース、ピエドラ市場があり、現在はチーズ、ワイン、果物、野菜、魚介類などの質の高い地元の食品を販売しています。レイ広場とモンテ・デ・オ・カストロ、またはコンポステーラ広場も、プロポ・ア・フェイラ(タコのガリシア風)やガリシアのエンパナーダを試すのにおすすめの場所です。 カンタブリア州の州都サンタンデールでは、カニャディオ広場や、その近くを走るアラバル通りやメディオ通りが、必ずたどるべきタパスルートを描いています。プエルトチコやペスケロ地区もまた、人気のラバス(イカフライ)、サントーニャ産のアンチョビ、ビンチョウマグロなどの魚料理はもとより、新鮮なシーフード料理を試すのに理想的なエリアです。エステ市場では、多種多様なグルメの選択肢の中からお好きなものを選べるほか、カンタブリア先史・考古学博物館を見学することもできます。 パンプローナでは、この街のシンボルであり、また壮大な歴史的建造物や象徴的な居酒屋・レストランが立ち並ぶカスティージョ広場が、もっとも多くの人でにぎわうエリアとなっています。ここには日当たりの良いテラスがたくさんあり、卵料理のチストラ添え、赤身肉のトマト添え、タラの煮込み、ナバーラ風の豆の煮込み、ピキージョピーマンの詰め物、通称「ベシャメルソースの前菜」など、典型的なピンチョスを堪能できます。

  • 卵入りミガス

    スペイン内陸部のタパスと伝統

    立派な城壁で名高いアビラの伝統的なアペリティフを楽しむには、サン・セグンド通りを訪れてください。この通りは、かの有名な大聖堂前広場のそばでタパスの食べ歩きを楽しむのに絶好の場所です。マッシュポテト、パプリカ、ベーコンで作られた有名なパタタス・レボルコナス(ポテト・レボルコネス)。クエンカのサン・フランシスコ歩行者天国は、小さくて魅力的なバルと最高の雰囲気が特徴です。人気のポークソーセージ、モルテルエロ、サラホス、ガチャス・マンチェガス、卵入りミガス、またはヤマウズラの煮込みやウサギの煮込みなどのジビエ料理が見つかります。 トレドには、ヨーロッパ最大級の史跡遺産が保存されています。それがトレドの旧市街です。そこにあるソコドベル広場からほんの数歩の場所で、ジャガイモの肉詰めにアイオリソースとトマトソースをかけた、伝説的な「ボンバ」や、豚肉と辛口ソースで作られた「トレド風カルカムサス」を試してみることをおすすめします。

  • ムルシア地方の様々なタパス

    アンダルシアのボリューム満点のタパスとムルシア産の農作物の味

    ハエンの中心部にあるサン・イルデフォンソ地区では、伝統的な酒場でも、より前衛的なレストランでも、ボリューム満点のタパスが提供されています。オリーブやケッパー、そして、この土地やアンダルシア地方の大部分でオリーブオイルが果たしている重要性を想起させる、定番の「パンとオリーブオイル」に始まり、肉入りミガスに至るまで、種類も豊富です。 ムルシアを訪れるなら、市内中心部全体がタパスエリアになっていることを念頭に置いておきましょう。大聖堂、サント・ドミンゴ広場、グラン・ビア、サン・フアン広場、有名なフローレス広場などの周辺は、ミートパイやミニエンパナーダ、ポテトサラダ、ムール貝のフライ、タコのオーブン焼き、あらゆる種類のミニバゲットサンドなど、典型的なアペリティフを楽しむのに理想的な場所です。ミチロネス(エンドウ豆のシチュー)やサランゴージョ(ズッキーニ、玉ねぎ、ジャガイモを入れたスクランブルエッグ)を味わえば、この土地がなぜ、新鮮な農産物で名を馳せているのかが分かるはずです。

  • モホ・ピコンを添えたパパス・アルガーダス

    「ピスコとエンジェスケをください」

    カナリア諸島ではタパスのことを「enyesque」と呼ぶことをご存知ですか?「ピスコとエンジェスケをください」とは、飲み物と、それに添えるタパスを注文するときに使う、地元ならではの表現です。ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアのトリアナ地区を貫くマヨール通りは、ジャガイモの赤いモホソースがけや有名なカナリア風シチューといった伝統的なカナリア料理から、ポキ丼やバオまで、あらゆるタパスを味わえる場所として流行のエリアです。

  • 料理を盛り付けるシェフ

    最高のタパス賞

    スペインではタパスの芸術が深く根付いており、タパスの質と独創性を競うコンテストも増えています。大勢の人が参加する、あるグルメ会議では、国家レベルで重要な賞が授与されます。その会議とはマドリッド フュージョン世界タパスデーもまた、スペインを代表するイベントのひとつであり、料理の芸術が披露される場となっています。毎年恒例のこのイベントでは、全国のすべての飲食業関係者に対して、自らの創造性を発揮する機会や、タパスという絶妙かつ魅力的な料理に敬意を表する提案を行う機会が提供されます。

きっとあなたの口はもうよだれでいっぱいでしょう... 警告しておきますが、タパスをひとつ食べると、次のタパスへの食欲がそそられ、いつの間にか笑ったりおしゃべりしたりして楽しい時間を共有していることでしょう。さあ、タパスの食べ歩きを楽しみましょう!