工房で作業する職人

スペインの工芸マーケットや工芸品見本市

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職人ひとりひとりの作業のおかげで、今日でもスペインでは、何世紀にもわたる伝統が世代を超えて受け継がれています。訪問する地域によって、購入できる工芸品はまったく異なります。工芸品には、それが生まれた土地の文化が反映されているためです。スペイン全土で、工芸品が主役の工芸マーケットが開かれます。そのため、工芸品の収集が趣味という方は、これらの見本市をカレンダーに書き留めておくとよいかもしれません。

  • カスティージャ-ラ・マンチャ州トレド県タラベラ・デ・ラ・レイナで開催の見本市FARCAMAにて、職人が制作したタラベラ・デ・ラ・レイナ陶器の器

    カスティージャ-ラ・マンチャの工芸品見本市「FARCAMA」

    FARCAMAはカスティージャ-ラ・マンチャ州で開催される工芸品見本市であり、全国的にも広く知られているものです。毎年トレドのベガ通りが会場となります。会場のすぐそばにはムデハル様式のサンティアゴ・デル・アラバル教会が建っています。例年、10月に数日間にわたって開催され、職人が出店するブースを眺めながら散歩することも、職人が実際に作業している場面を見学することもできます。この見本市にはさまざまな専門分野の職人らが集まるため、お探しの工芸品が何であれ、おそらくFARCAMAなら見つかるはずです。鍛造品、ガラス、陶磁器、織物、革製品、宝飾品、木工細工など、その分野も多岐にわたります。店先に並んでいるアイテムの多くは地域の名産品です。タラベラ・デ・ラ・レイナの陶磁器やラガルテラの刺繍などが好例です。伝統的な美食もこのフェアに登場します。通常、地元の製品をテイスティングできる専用のコーナーが設けられ、同コーナー内の各ブースでマジパンや手作りチーズを試食することができます。この見本市では子供向けの教育用ワークショップも開催されます。お子様連れでのご旅行の場合、色柄タイルやムデハル様式のパネル画といった工芸品の手作り教室を楽しむことができます。小さなお子様に職人技や伝統文化の価値に触れてもらい、同時に楽しい時間も過ごしてもらうには、これが最高の方法です。また、バルーンアート、絵本の読み聞かせ、フェイスペインティングなど、すこぶる創造的なアクティビティも用意されています。

  • マドリード州の工芸マーケット見本市

    この工芸品見本市は40年にわたり首都マドリードで開催されているものです。その目的は、この街のクリスマスをより一層(もしそれが可能なら、の話ですが)魅力的なものにすることにあります。12月に入ると、シベレスの噴水コロン広場といった象徴的な場所を走るレコレトス通りに沿って、多くの職人が自身のブースを構えます。また、こうした工芸家のほとんどはマドリード州出身ですが、ほかの地方を拠点とする創作家も参加します。 ブースを見て回るうちに、職人らが生涯にわたってどのように金細工、帽子、陶磁器、版画、彫刻、装身具などの制作に取り組んできたかを知ることができます。 こうした種類のアイテムはショッピングセンターではなかなか見つからないことから、この見本市は特別で個性的なクリスマスプレゼントを手に入れるには絶好の場所といえます。しかも手作りのため、同じものは二つとありません。

  • バレアレス諸島州フォルメンテーラ島ラ・モラで開催される工芸マーケット見本市の様子

    ラ・モラの工芸マーケット見本市

    ピラール・デ・ラ・モラ村は楽園のような小さな島フォルメンテーラにあります。ヒッピーの雰囲気が特徴の工芸品見本市「ラ・モラの青空市場ヒッピーマーケット」は、まさにこの村で開かれます。フェアは、5月から10月の間、週に数日開催されます。すぐれた気候、場内に設けられたカラフルなブース、そして音楽の生演奏のおかげで、職人も来場者も、とても楽しい一日を過ごすことができます。グルメを提供する屋台もあるため、ショッピングにいそしんだ後は、思わず食欲をそそられるような料理に舌鼓を打つこともできます。 工芸品づくりに挑戦したいという方は、ラ・モラの職人が開催するワークショップに参加すると、木や陶磁器といった各種素材を使って作品を作る方法を学ぶことができ、スペイン旅行の最高のお土産、すなわち自分で作った工芸品を持ち帰ることができるでしょう。

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