スペインで人気の伝統的なスポーツについて学ぶ
ご存知の方も多いかと思いますが、スペインでもっとも競技人口の多いスポーツは、サッカーやバスケットボール、テニス、サイクリング、ゴルフなどとなっています。その一方で、スペインの各地にはまた別の伝統的なスポーツが存在するため、好奇心旺盛なアスリートであれば挑戦したいと思うはずです。スペイン文化に満ちた競技を発見したら、スペインの主な目的地を訪れるころにはその地域固有のスポーツのエキスパートになっていることでしょう。
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バスク・ペロタ——手で行うスポーツ——
この伝統的競技はバスク州のもので、その起源は13世紀にさかのぼります。試合には少なくとも2人のプレーヤーが参加する必要があります。各プレーヤーが「フロントン」と呼ばれる専用コートの端にある壁に交互にボールをぶつけます。ラケットやバット、レモンテ(かご状の用具)を使ってもプレーできますが、素手でプレーするスタイルが人気です。バスク地方のどの町を訪れても、バスクの人々がこの楽しいスポーツを行っている姿を目にすることができます。このスポーツに挑戦する前に、まずは次のような見ごたえのある場所を訪れてみましょう。中世の旧市街がビトリアに、グッゲンハイム美術館の印象的な建築物がビルバオに、ラ・コンチャ・ビーチがサン・セバスティアンにあります。
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ルチャ・カナリア——バランスへの挑戦——
カナリア諸島での休暇を計画中なら、その長い日照時間をきっとビーチで楽しむことになるでしょう。たとえば、エル・メダノ・ビーチがテネリフェ島に、ラ・パレー・ビーチがフエルテベントゥーラ島に、マスパロマス・ビーチがグラン・カナリア島にあります。島のアイデンティティの象徴であるルチャ・カナリアについて知り、旅程のなかにスポーツを組み入れてみませんか?こうした島々の先住民はすでに、この奇妙なスポーツを楽しんでいました。対戦相手のバランスを崩すことで、部位を問わず身体の一部が地面に触れると決着がつくというルールです。円形をした土俵では、「マニャ」と呼ばれる技を使って相手のバランスを崩しにいきますが、相手に傷を負わせないよう常に注意を払いつつ、スキルを優先します。ことわざにもあるように「技(マニャ)は力に勝る!」ということです。
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アラゴンの棒投げ——歴史が詰まったショット——
アラゴン州の農業従事者らは、何世紀にもわたってアラゴンの棒投げを楽しんできました。日々の労働が終わると、彼らは犂(すき)の破片を1本投げて、誰が一番遠くに飛ばせるかを競い合ったのです。こうして、この競技は人気を集めるようになり、あちこちの村の広場で毎週日曜日に行われるようになりました。現在でも競技人口は少なくないため、お気軽にアラゴンの神秘的な町までお越しください。アアルケサルがウエスカ県に、ウンカスティージョがサラゴサ県に、アルバラシンがテルエル県にあり、そうした町で、この伝統的なスペインのスポーツを直接観戦することができます。
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ムルシアのカリーチェ——年齢を問わず楽しめる競技——
ムルシア州の奥深くへと進んでいき、美しい町、たとえばロルカ、カラバカ・デ・ラ・クルス、カルタヘナなどを訪れ、すばらしい文化遺産や歴史遺産に触れているうちに、有名な「ムルシアのカリーチェ」をプレーしている人々を見かけるかもしれません。これは20世紀に始まった伝統的競技で、「カリーチェ」と呼ばれる円筒形の駒を地面に置き、「モネオ」と呼ばれる金属の円盤を使って倒していくというものです。子供も大人も楽しめる競技です。プレーしてみるだけでなく、ムルシア州で実行できる、とりわけ独創的なプランのいずれかにも挑戦してみましょう! 以上ご紹介したものは、スペイン有数の伝統的なスポーツの一部にすぎません。こうしたスポーツのいずれかに夢中になりたいという気持ちがきっと湧いてきたことでしょう。先述したスペインの都市を訪れて、こうした興味深い競技のエキスパートになりましょう!