自然のなかでサイクル観光をする女性

自転車で巡るスペイン

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スペインでは、自転車と休暇はとても相性のよい組み合わせです。観光スポット間を自転車で行き来するためにも、またほんの1時間だけのサイクリング散策にも、スペインでは整備されたルートと、サイクル観光と自転車のレンタルを請け負う会社を見つけることができます。

スペインを選ぶ理由

スペインは気候が良いため、ほぼ一年中サイクルツーリズムを楽しむことができます。スペインには、自然地帯を通過するルートやあらゆるレベルに見合ったコースが用意されています。そうしたルートから望む、息をのむような景観は、実に一見の価値があります。実際、スペインは生物圏保護区の数が世界一多い国(55か所)であり、16の国立公園に加え、ヨーロッパでも特に美しく、かつ最適な標識が設置されているルートを擁しています(たとえば、無料のホステルまで設けられている「サンティアゴ巡礼の道」など)。多くのコースが、文化的価値や食文化的価値の高い目的地を経由します。スペインには自転車で通るのに最適な魅力的で静かな村々が多く存在します(海側にも内陸にも)。

バレンシアの街中のサイクル観光

休息するための宿泊施設をお探しなら、ホテル、カントリーハウス、キャンプ場、ホステルなどから選ぶことができます。マヨルカ島カナリア諸島、ピレネー山脈地域で頻繁に見られるのが「自転車にやさしいホテル(Hoteles Bikefriendly)」と呼ばれる宿泊所で、自転車用監視カメラの運用、自転車の洗浄場所、スポーツを楽しむ人向けの特別メニュー、自転車のレンタルなど、各種サービスを提供しています。

左から右:メノルカ島でサイクリングをする観光客/家族/バルセロナのサイクリスト

最適な季節

サイクルツーリズムは一年を通して楽しめますが、夏は地域によって気温が非常に高くなる(場合によっては35 ℃を超える)場合があることにご注意ください。多くのサイクリストは、休暇シーズン以外の(つまり7月と8月を避けて)、ルートがあまり混雑していない時期に旅行することを好みます。

行程の種類

- 緑の道:3,200キロメートルにわたる古い鉄道路線が自転車ロードとして生まれ変わったものです。120を超えるルートがあり、それぞれの距離も千差万別(1キロメートルのものから100キロメートルのものまで)です。公式ウェブサイトをご覧ください。- 自然の小道:スペイン全域にわたり、1万300キロメートルを超える自然の小道が伸びています。そうした小道には、旧鉄道路線、水路、 家畜道、細道などがあります。公式ウェブサイトにアクセスすると、さまざまなルートに対応した GPS をダウンロードできます。- ユーロヴェロ・ルート:ユーロヴェロとは国境を越えた長距離サイクリングルートのネットワークのことで、ヨーロッパ中に張り巡らされています。確立したルートが17本あり、コースの合計は9万キロメートル近くになります。スペインを通る主要ルートは3本あります。それぞれ、大西洋海岸ルートである「ユーロヴェロ1」、巡礼者ルートである「ユーロヴェロ3」、地中海ルートである「ユーロヴェロ8」となっています。- こういったコースのほかに、別のタイプの小道や田舎道などを見つけることができるでしょう。- 泊りがけのコースを行く場合には、自転車バッグを搭載してのサイクル観光が流行です。もし荷重を積めるような設定のハイブリッド自転車を使うと、荷物を持っていくことができます。

マドリード州にある、タフーニャの緑の道

地域一覧

サイクルツーリズムを実践するにあたっては、特に有名なルートが存在します。そのいくつかをご紹介しましょう。- サンティアゴ巡礼の道複数のコースがすべて、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂(ガリシア州)を目指します。ルートには、フランスの道、古代の道、銀の道などがあります。興味がある方は当サイトのルポタージュ「自転車で行くサンティアゴ巡礼の道」をご覧ください。- カミノ・デル・シッド勇者エル・シッドの足跡を、カスティージャ・イ・レオン州、カスティージャ-ラ・マンチャ州、アラゴン州、そしてバレンシア州をまたいでたどるルートです。- カスティージャ運河旧水上航路をたどる道で、カスティージャ・イ・レオン州のなかでも最も魅力的なルートのひとつです。

サンティアゴ巡礼の道の自転車

アドバイスとおすすめ

アドバイス

- スペインでは、原則として高速道路と自動車道の自転車による通行が禁じられています(標識で反対の指示がない場合に限り)。- 法令によって、夜間及びトンネル内での蛍光色の安全ベストの着用、及び50メートル先まで確認できる前照灯と尾灯の点灯が義務付けられています。 - サイクル観光をなさる際には、スペインに到着する前に (特に長距離や難関なコースを行う場合) 自国の自転車協会に登録し、そこで保険の補償範囲をスペインまで広げてもらうか、または治療費用と個人損害賠償の補償が含まれる旅行保険に加入することをお勧めします。 - スペインまで各自の自転車を飛行機で運ぶ場合には、自転車が適切に梱包されていなければなりません。航空会社によっては自転車を預ける際に特別料金がかかることがあります。長距離バスの場合も同様です。航空券や乗車券を購入の際にお確かめください。鉄道で移動する場合、スペイン鉄道全国ネットワーク(RENFE)の規定で、車内持込みできる手荷物のサイズを超過する場合には、スペイン国内におけるAVE(スペイン高速鉄道)、ラルガ ディスタンシア(長距離高速列車)とアバント(中距離高速列車)において以下の条件により自転車を運ぶことができます:自転車は折りたたまれているか分解されてケースに入れられ、最大サイズが120x90x40 cm(横x縦x幅)を超えないこと。ペダルを取り外し、ハンドルを90度回転しておく必要があります。サイクル観光についての情報を得るためには、各地域の観光案内所を訪れるか、または自転車協会に連絡を取るとよいでしょう。また、スペイン自転車競技連盟のウェブサイトもご覧ください。ここに記載される諸条件は変更されることがありますので、旅行開始前に必ずご確認ください。