ピンチョ各種

ビルバオ、ピンチョからピンチョ

Bizkaia

バスク料理のささやかな至福の食べ歩き


一口、多くても二口で、味と創造性を同じように楽しむ。それが ピンチョビスカヤ、そしてバスク地方全体に広がるグルメの偉大な主役のひとつです。つい見てしまうファッションのショーウィンドウのように、ビルバオのバルのカウンターは新鮮さとたゆまぬ革新を見せています。もっとも定番で定着したピンチョと並んで、あることを唯一の目的とする、斬新な創作料理が用意されています。それは、もっとも味にうるさい人たちを驚かせること。  

ビルバオの街を知る美食の道

文化イベントのほかにも、ビルバオは美食の点でも注目されますが、まさにその通り!旧市街とヌエバ広場の通り7本、インダウチュのリセンシアド・ポサ通り、アルビア庭園、エル・エンサンチェ…その多くは、午前、午後、夜を問わず、食前酒を飲みに行くことに相当する「ポテス巡り」が可能なルートです。ピンチョの試食とミュージアム見学を組み合わせたガイド付きツアーもありますが、独特の「ピンチョ から ピンチョ」コースをたどり、スペイン北部のバスク地方のこの街を深く知るために欠かせない、参考情報をいくつか以下にご紹介します。旧市街。ビルバオで最も古い地区の有名な通り7本とその周辺には、モニュメントや店、ショッピングの合間に休憩できるバルがいくつも入り混じっています。ビルバオの旧市街も革新的な料理に対してオープンではあるものの、やはりこの地区では、地区の通りと同じくらい伝統的なピンチョスを試してみる価値があるでしょう。ヒルダス (オリーブ、アンチョビ、トウガラシの串刺し)、ムール貝の詰め物タラのマリネの串刺しフランベしたチョリソなどを、ベルモットや上質のチャコリ(バスク地方の典型的な白ワイン)といっしょにご賞味ください。

オリーブのピンチョス

エル・エンサンチェ.風格のある建築が並ぶビルバオの地区もまた、老舗の店があふれています。ディプタシオン通り、レデスマ通り、エルシリャ通り、またはアルビア庭園のバルは、グラスビール「スリートス」――ビール――と一緒に、スパイシーな肉の串焼きピンチョス・モルーノスイベリコ豚の腸詰製品、タラバガニやクルマエビチャングーロ――ケアシガニのクリームソース――または北部地方ではよく見かけるふた付きスペイン風オムレツ――あらゆるタイプの食材を詰めたり、飾ったりしたスパニッシュオムレツ――をつまむのに最適な場所です。 インダウチュ。市内のこのエリアについて語る時、リセンシアド・ポサ通りのほぼ絶え間ない雰囲気について触れないわけにはいきません。サン・マメス・スタジアムでサッカーの試合がある日は、アスレティック・ビルバオのファンのミーティングポイントでもあります。あらゆる種類のチーズピペラーダ ――ピーマン、タマネギ、トマトをベースにしたバスク名物のソース――、マッシュルームスモークサーディン… これらは ピンチョ のベースとなる食材の一部で、ついつい手が伸びてしまいます。また フェリパダについて触れないといけません。これはマヨネーズ、アンチョビ、レタス、辛い食材を何かはさんだ三角形のサンドイッチです。

バスク産チーズ

ピンチョの文化的意味

ひとつのピンチョを用意することは創造性を駆使する作業です。その作業は、なじみの食材となじみのない食材の組み合わせと同じくらい多種多様なものであるため、その数も無限です。この小さなアペリティフは、事実上、ビルバオの人たちにとってアイデンティティを表すものとなっています。バルをはしごしながら、いろいろな味を“発見”していくのは、やってみたい味の冒険です。スペインの他の地域と違い、バスク地方で ピンチョ は無料のタパスとは見なされず、別に支払います。そこで、どの店も、市内で トレンドを作り出す もしくは常連客のロイヤルティを高めることができるような花形商品の組み合わせを常に探求しています。イマジネーションと美食への情熱に加え、もちろん質のいい食材は、そんな優越性を得るための基本です。 ビルバオを旅すると、そのピンチョの魅力にはまってしまいます。それはまるで、ビルバオの街がガストロノミーと維持している素晴らしい関係性から生まれる、色と匂いと味のフェスティバルに参加するようなもの。その味をぜひ堪能してください。

マッシュルームのピンチョ
に関する詳細をごらんください