エクストレマドゥーラ州カセレス県のアンブロス渓谷にある町エルバスを流れる川の細部

アンブロス渓谷:2019年度 EDEN 賞

エクストレマドゥーラ

エクストレマドゥーラ州の北に位置するこの地域は、くつろいだり日常を忘れたりするには絶好の場所です。周囲にはコントラストを描く風景が広がり、標高2,000メートルを超える山々がそびえる一方で、緑豊かな森は秋になると鮮やかな色に染まります。アンブロス渓谷には、魅力的なスポットを擁する村が8つも存在します。それぞれ、アバディア、アルデアヌエバ・デル・カミーノ、バニョス・デ・モンテマヨール、カサス・デル・モンテ、ラ・ガルガンタ、ガルガンティージャ、エルバス、セグーラ・デ・トロという名の村です。ラ・チョレラの滝に代表される滝のほか、カサス・デル・モンテやアバディアで見られる、すばらしい自然のプールや滝のある並木道もまた、この渓谷の別の魅力として観光客を虜にしています。この地域の水は、その有効成分のおかげでローマ時代から広く知られていました。今日では、有名なバニョス・デ・モンテマヨール古代ローマ浴場・温泉療養リゾートがあります。ヨーロッパで授与される EDEN 賞においてアンブロス渓谷が「健康とウェルビーイングの観光地」に選出されたのも、この温泉療養リゾートの存在によるところが大きいといえます。 

秋の幻想的な景色

この土地を歩いていくと、栗の木やオークの木からなる緑豊かな森、サクラやスモモの段々畑、カシやコルクが生える牧草地などを目にすることでしょう。さらに、「自然の大聖堂」のようだと言われる特別な場所まであります。それが、テンブラルの栗林です。そこでは、樹齢百年を超える巨木が広大な林にすっぽりと覆われています。黄色や赤に染まったこうした自然地帯をまるごと楽しむのに最適な時期があるとすれば、それは間違いなく10月と11月です。例年、この時期になると、「アンブロス渓谷の幻想的な秋」という祭りが開催されます。この祭りでは、キノコフェア、焼き栗のテイスティング、ライブ音楽、ガイドツアー、天体観測などのアクティビティが行われます。よりエネルギッシュな方法でこの土地の風景に出会いたいという方は、「銀の道の自然ルート」と呼ばれる緑の道に沿ってハイキングやサイクルツーリズムを楽しむとよいでしょう。緑の道とは、古い線路を小道に改装したもののことです。 

さまざまな文化の痕跡

この渓谷には、ヴェットン、ケルト、ユダヤなど、さまざまな文化の痕跡が残されています。そうした痕跡を発見するには、セグラー・デ・トロにある「ケルトの雄牛」や、ユダヤ人街の入り組んだ美しい路地を訪れてみてください。なお、このユダヤ人街は、エルバスという、この地域有数の美しい村の中にあります。 この旅行で見逃せないもうひとつのモニュメントといえばルネサンス様式の宮殿です。ソトフェルモソ(所在地はアバディア)の宮殿は、当初は要塞としてテンプル騎士団が使用していたものですが、後にシトー修道会の修道院となり、現在では文化センターに改装されています。近隣の地域には、城壁に囲まれた魅力的な封建都市グラナディージャや、古代ローマ都市カパラがあります。 

エクストレマドゥーラ州カセレス県エルバスの眺め
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