ルートの全長は7つのセクションから成り立っています。全ルートを制覇することもできますし、より興味のある行程だけを選ぶのもよいでしょう。
このルートには車を使用するのがおすすめで、また、ルート上にある各目的地はそれぞれ一見の価値があります。これらすべての目的地が共通の過去と非常に似通った歴史をもっており、それらは中世の路地、いくつもの宮殿、寺院、修道院、城などから明らかに見て取ることができます。とはいえ、それぞれの町にその町らしさがあり、その町特有の魅力がそなわっています。旅を始めてすぐに、そのことに気が付くことでしょう。
このコースは コスタ・バスカの中心地であるオンダリビア(ギプスコア県)があるバスク州から出発します。特に、感じられる潮風、近くに広がるビーチの数々、国際的に認知されているグルメなどに驚かずにはいられないでしょう。同じ地方でも内陸部に分け入ると、アラバ県にラグアルディアがあります。いったん旅の足を止め、この町の歴史地区を散策したり、リオハ・アラベサという原産地呼称に認定されており世界的な名声を博しているワインのいくつかを味わったりしてみましょう。 そこからわずか60㎞の場所に、エストレージャまたはリサラへと続く、別の見逃せない経由地があります。ナバーラ州のこの場所では、個人またはグループで、バックパックを重たそうに背負っていく巡礼者たちに出会う可能性が極めて高いでしょう。驚かないでくださいね。というのもこのあたりは、ヨーロッパ随一の文化的ルートであり、さらにはユネスコの世界遺産にも登録されているサンティアゴ巡礼の道が通っているからです。
ここから、ルートはカスティージャの地へと入り込んでいきます。最初に、ドゥエロ川が流れ広大な耕作地が広がるカスティージャ・イ・レオン州のアルマサンを通ります。ルートはカスティージャ-ラ・マンチャ州に続きます。シグエンサ(グアダラハラ県)では中世の騎士たちの生活がどのようなものだったのかを深く知ることができるでしょう。というのも、およそ千年も前に、エル・シッド・カンペアドールというスペインの歴史上の伝説の英雄が、このあたりを通ったためです。さらに南に下ると、トレド県のコンスエグラでは、何はともあれ風車の一群に息をのむことでしょう。これらの風車は、ミゲル・デ・セルバンテスによって編み出された不死身の登場人物であるドン・キホーテが立ち向かっていった想像上の巨人を思い起こさせます。
再びカスティージャ・イ・レオン州へと舞い戻りますが、今度はシウダッド・ロドリーゴ (サラマンカ県)へと向かいます。ここは、16世紀のあいだ、数多くの宗教的モニュメントや宮殿、荘園の屋敷が建てられたところです。ルートはエストレマドゥーラ州のへレス・デ・ロス・カバジェーロス(バダホス県)という2つの町で終わりを迎えます。これらの町は、スペインを南から北にかけて結ぶ銀の道というもう1つの非常におすすめのルートからほど近い場所にあります。見どころは山ほどあります。そう思いませんか?上記の町の一つひとつで中世への感動的なタイムスリップを体験し、その歴史や伝統を学び、それらを取り巻く自然空間をかみしめながら、スペインをめぐるこの文化的なアドベンチャーをお楽しみください。すべての見どころを回れなかったとしても、どうぞご心配なく。またのお越しをお待ちしております。