王宮のすぐそばに位置するこの美術館にはすぐれた芸術作品が厳選・収蔵されており、館内では、国有遺産として保存されている豊富で多様なコレクションを鑑賞することができます。こうした国有遺産は、スペイン王室が収集家および後援者としての役割を長年にわたり十分に果たしてきたことで、もたらされたものです。
王室コレクションギャラリーは、スペインの美術館プロジェクトとしては、ここ数十年でもっとも重要なもののひとつといえます。まず驚かされるのが、その施設です。4万平方メートルの延べ床面積を誇るこの建物は岩を削って作られており、王宮を取り巻く環境に完璧に溶け込んでいます。建物はカンポ・デル・モロ庭園から王宮前のアルメリア広場にかけて伸びており、このアルメリア広場に美術館のメインエントランスがあります。建築家ルイス・マンシージャとエミリオ・トゥニョンが設計を担当したこの複合施設は名だたる建築賞を受賞しているほか、この場所からはカサ・デ・カンポやマドリード市街地の比類ない景色を眺めることもできます。 いったん館内に足を踏み入れると、この美術館の息を呑むような展示を構成する650点の作品が主役に躍り出てきます。厳選された絵画、彫刻、タペストリー、家具、あらゆる種類の装飾芸術作品などが展示されており、なかにはベラスケス、カラヴァッジオ、ゴヤ、ティツィアーノ、ヒエロニムス・ボス、ルイサ・ロルダン、エル・グレコといった巨匠が署名した作品もあります。王室コレクションギャラリーの見学では、動画や模型、さまざまな教材を通じて、エル・エスコリアル修道院やラ・グランハ宮殿といったモニュメントの構造のほか、国有遺産の指定を受けて実施されてきた保存・研究活動についても知ることができます。 さらに、この美術館には特別展用の展示室に加えて没入体験ができる大型の立体空間も設置されており、王室所有の建築物および自然環境を360度投影した映像を見ることができるようになっています。この立体空間の入り口はベガ坂(具体的にはカンポ・デル・モロ庭園と同じ位置)にあります。
王室コレクションギャラリー
Calle Bailén 8
28013 Madrid, マドリード (マドリード自治州)
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